4. 深刻な土壌汚染

世界的な人口爆発が発生したのは、1940年代の世界大戦後である。人口が爆発すると経済も大発展した。テクノロジーも急速に進化した。巨大都市が次々に誕生して、中産階級も爆発的に拡大した。収入が多くなると、人々の欲望は食へ走った。おいしい肉、鮮度の良い魚、そして穀物と野菜である。食糧を増産するために大きな無理が発生してしまったのである。地下水の枯渇と大量の化学物質の使用である。一時的な食糧増産には水と化学物質が必要だったのである。その結果、土壌は深刻に汚染されてしまった。海の汚染は表面にプラスチックが見えているので目視で理解できる。

しかし、土壌の汚染は見えない。日本に耕作放棄地が多い理由の一つが、作物を定植しても育たなくなってしまった農地も多いのである。作物を植えても育たなくなって土がダメになったと理解できるのが土壌汚染なのである。作物を育てる土の中の生物はどこまで土壌汚染に耐えられるのか。誰も知らないのである。気がついた時には手遅れなのである。世界中のどこにも汚染された土壌を回復させる技術はない。ある瞬間から食糧生産量が一気に激減するということはあり得ることなのである。

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