1. 危険レベルの食糧自給率

資料:農林水産省『総合食料自給率(カロリー・生産額)、品目別自給率等』より作成
食糧自給率は低下の一途である。しかもバランスがとても悪い。米中心の生産体制から政策転換ができない。米だけは自給率100%である。ところが人気は小麦なのである。米の消費は下がる一方である。余剰米の処理に困るほどである。しかも小規模生産者の多くは赤字である。野菜は生産過剰で収穫もせず、畑に廃棄という現象はなくなった。天候によって大きく価格変動する状況に変化はない。
価格変動するということは、生産者の収入が安定しないということである。これは旧態的な市場制度改革ができていないことが大きな原因になっている。生産者は高齢化して、若い人の新規就農は少ない。自給率が上昇する要素はまったくないのである。国際的な食糧の争奪が発生したら、大パニックになる可能性がある。日本の自給率は特に低いが、いずれ世界的に同じ傾向になる。