5. 異常気象が常態化する中で
農作物の生産性を上げることはできるのか

世界はどうやって農業生産性を上げてきたのか。主には新しい農地を開拓して生産性を上げてきた。それもピークアウトをしてしまった。もう開拓できる農地は少ない。アマゾンやボルネオまで手をつけてしまったのだから、疑う余地はない。それなら今まで耕作していた農地はどうなったのか。地下水の枯渇、土壌汚染、砂漠化、塩害などで生産性の向上どころではないのである。お米は作況指数が出てくるのでよく分かる。ほぼ横ばいか、若干の減少である。野菜は生産方法を変えたりするので正確には出てこない。昔ながらの露地栽培だけを見れば、大幅な減少である。

工場生産なら生産性はすぐに出てくる。このデータを取っていない会社はないからである。小売りでも売上げはすぐに出てくる。ところが農業では、そういうデータを取る習慣がない。アバウトなデータしか存在しない。生産性がなぜ向上しないかも分析しようとはしない。人間が生きるために食糧は不可欠に大切なものである。その食糧の生産性について、詳しいデータがないのは驚きである。客観的な状況を分析して、農産物の生産性が上がる状況にないことだけは事実のようである。

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