数値管理ができないこれまでの農業経営

これまでの農業経営は出たとこ勝負である。数値管理もなければ、採算もアバウトである。個人経営はやってみなければ分からないレベルである。法人にはいろいろな形態がある。個人が集まって法人にしたところは、個人経営と変わらない。株式会社の場合は、取引先によって大きく左右される。良い取引先を持っている場合は、経営がある程度安定する。優良な取引先がない場合は経営が安定しない。

双方に共通していることは、突出した経営技術がないことである。そのために規模拡大や、売り上げ拡大がとても難しくなる。事業として成長させるノウハウを持っていないということにある。農業経営に夢を描くことができないのである。社員の給与も安い。新規就農支援などを利用しているところが大半である。

それでも、経営が成り立つかどうかである。特に悩みは「人」の問題である。人の問題には大別して二つある。一つは労働力が思うように集まらないこと。外国人研修生も教育して人材を育てるまでには至っていない。もう一つは畑を管理する社員。モチベーションが低く、サービス残業に追われて続かない。一言で言えば、楽しくないのである。こうなると、農業に企業参入したのは良いが、どうやって成長させるのか、頭の痛い問題になってしまう。創造的な農業経営をやるには、問題の解決が不可欠になる。

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