4. 20町歩20人で5年で6億円を達成し、
経営ノウハウを確立する

農業経営に成功モデルはとても少ない。そのためにイメージすら思い浮かばないのである。最初から大規模投資はリスクが大きすぎるということである。農業経営は一般会社経営とは違うものである。何がどう違うのかを学習しなくてはいけない。経営を学習するのに最適な規模というのがある。20町歩20人の運営である。20町歩の栽培は農業経営を学習し、作物栽培の技術を収得するためには最低の面積である。これ以下では収益も十分に取れず、可能性も追求できないのである。この規模で、農業経営を学習して土台(基礎)を作るのである。可能性を広げるということは施設栽培などの多様な栽培方法を学習するだけではない。多様な作物を栽培して学習することが必要になってくる。

20人で運営するということにも大きな意味がある。20人の人をどのように動かせば最大効率が得られるかということである。農業は繁忙期と閑散期で大きな差が出る。暇な時に人が遊んでしまったのでは効率が悪い。この問題を解決するには直売所や外食、加工などの仕事を手掛けなくてはいけない。ここで大きな利益を見込むのではなく、その仕事を通して人材育成が必要になってくるのである。直売所は流通や販売先の開拓になる。外食は調理技術になる。加工は新商品に開発になる。それを最少のリスクでやりたいのである。さらにある。今はデジタル社会である。多様な人材が集まるような農業経営がやりたい。ただ、食に関するだけでなく、地域性や社会性も包括が可能なコミュニティーにしたいのである。20人の運営はその可能性を作るためのデータを収集する意味もある。

このように考えれば、これまでの農業経営との大きな違いが明らかになってくると思う。事業は継続がもっとも大切である。最低規模の20町歩を20人で運営することにより、経営ノウハウを構築していくのである。5年で6億円 純益4億円は20町歩を20人の運営で実現するのである。

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